相続などで田舎にある親の家を所有することもあると思います。しかし、その家を放置している人も多いのではないでしょうか。ただ、田舎の家はただでさえ売りにくいので、ずるずる価格が下がってくるリスクもあります。そのため、今回は実家を少しでも高く売却処分する手順と、それに伴う費用などを解説していきます。
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■田舎の家は全く売れない。空き家が社会問題に
現在、日本に空き家は800万戸以上存在し、どんどん増え続けていると言われています。空き家が増えると、建物が老朽化することで倒壊や火災などの災害リスクが上がりますし、空き巣や放火などの犯罪リスクも上がります。
また、その空き家がある「場所」はほかの用途で再利用することで、経済効果が生まれる可能性があるのに、そのチャンスを潰しているのです。
その大きな理由としては、相続した親の家をそのまま放置している点になります。というのも、親から相続した不動産は、親から自分の名義に変更(相続登記)するのですが、相続登記の期限は特段決まっているわけではないからです。
つまり、相続した家をずっと放置していても、法的には問題ないということです。また、放置する理由として、田舎の親の家は老朽化が進んでおり資産価値が低い場合が多いので、単純に「売れない」という理由があります。
そのため、一旦保有しておく人が多いため空き家がどんどん増え続け、日本では空き家が社会問題になっているのです。
※参考:国土交通省 空家などの現状について
http://www.mlit.go.jp/common/001172930.pdf
■思い出の詰まった実家でも固定資産税がバカにならない‥
土地・一戸建て・マンションなどの不動産は、そこに誰も住んでいない状態でも固定資産税がかかってきます。もちろん、それは思い出の詰まった実家でも例外ではありません。固定資産税は、固定資産税評価額に1.4%を掛けるので、1,000万円の評価額であれば14万円も固定資産税がかかるということです。
実は、土地に関しては建物が建築されていれば、この固定資産税の軽減措置がありました。たとえば、200㎡までの部分は評価額が1/6になるので、1,000万円の評価額であれば166.6万円まで下がり、税率の1.4%を掛けると2.3万円にまで税額は下がります。
しかし、空き家が増えすぎていることが社会問題になっているので、この軽減措置が一定の空き家にはなくなります。そのため、田舎の親の家を保有しつづけると、従来の軽減措置がある状態よりも高額な固定資産税がかかてくるリスクに見舞われるというわけです。
※参考サイト:東京都主税局 空家の固定資産税
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/info/tokuteiakiya.pdf
■田舎の家が売れないなら処分するしかない!経費はどのくらいかかる?
さて、上述したように、空き家が社会問題になっており、それに伴い空き家の税負担が増しました。何よりも、犯罪や災害に巻き込まれるリスクもあるため、近い将来活用する予定がないのであれば、早めに売却するのが得策でしょう。
その際、どのくらいの費用がかかり、どのような手順を踏めば良いのでしょうか?ここでは、田舎の親の家を売却するときの費用と手順について解説していきます。
- ○田舎の実家を一括査定に出して、少しでも高く買い取ってもらおう
結論からいうと、田舎の実家を高く・早く売却するコツは、一括査定を行い、信頼できる不動産会社に仲介を依頼することです。まず、売却の流れである以下の点から解説していきます。
- ◎相続登記
相続登記は、相続人である親から被相続人である自分の名義に変更するので、基本的には司法書士に依頼します。名義変更しない限り家を売却することはできないので、仮に相続登記をしていないのであれば、まずは相続登記を完了させましょう。
- ◎一括査定する
次に、一括査定サイトで複数社に査定依頼することです。一括査定サイトとは、物件情報などをネット上から入力するだけで、5~6社程度に査定依頼ができるサイトのことです。仲介を依頼する不動産会社によって、売却スピードと売却金額は大きく異なるので、不動産会社は複数社から選ぶのがベストです。
しかし、一社一社に査定依頼をすると無駄な時間がかかってしまうので、一括査定サイトを利用した方が早く査定依頼できるというわけです。
- ◎媒介契約を結ぶ
一括査定で依頼した各社の結果をチェックし、査定額の「根拠」を見比べます。その結果、信頼できる不動産会社に巡り合えたら、不動産会社と一般媒介契約・専属専任媒介契約・専任媒介契約のどれかを結びます。
いずれも、その不動産会社に正式に仲介を依頼する契約であり、媒介契約を結ぶことで、本格的な売却活動が始まります。ここまでの流れは概ね通常の家の売却と同じですが、次項以降から注意点があるので認識しておきましょう。
- ◎売却活動
売却活動とは、具体的には以下のようなことです。
・広告をして集客
・内見(物件見学)日程の調整
・価格などの交渉
上記の売却活動は、主に不動産会社の営業マンが行ってくれるので、営業マンの対応次第で売却スピードと売却金額は変わるということです。特に、実家の売却の場合は自分が内見に立ち会えない場合もあるので、その際は不動産会社に鍵を預けておきます。
だからこそ、不動産会社は信頼できる不動産会社を選ぶ必要があるのです。そのため、査定額の根拠だけでなく、営業マンの対応の誠実さや正確さもきちんと見極めましょう。
- ◎申し込み、契約、引渡し
次に、価格などの交渉が終われば、購入者から申し込みを受けて、売買契約を交わします。その後、物件の引渡しが完了すれば、売却活動は全て終わりです。ここで注意しないといけないのは、売却する田舎の家が遠い場合に、売買契約や引き渡しが大変になるということです。
というのも、基本的には売買契約や引き渡しは相対での取引になるからです。そのため、どうしても立ち会えない場合は、委任状を用意して家族を代理人にしておくなどの対応があるので、その点は頭に入れておきましょう。
○実家の売却処分にかかる費用はどのくらいかかる?
さて、上述したような手続きで実家を売却するときは、以下の費用がかかります。
・仲介手数料
・登記関係費用
仲介手数料は物件価格にもよりますが、税抜き400万円以上であれば「物件価格×3%+6万円」が仲介手数料の上限になります。あくまで上限なので、その金額以下であれば問題ないのですが、多くの不動産会社は上限で請求します。
たとえば、税抜き2,000万円の物件であれば、66万円に消費税が加算された金額が仲介手数料の上限になります。
また、登記関係費用とは、抵当権が設定されている場合のみです。その場合は、1物件1,000円程度の登録免許税(抵当権抹消)と、5万円前後の司法書士報酬がかかります。売主から買主に名義変更する際の登記関係費用は、買主側の負担になります。
○実家の売却は寂しいでも結論は早めに!
実家は馴染みがあり、中々売却に踏み切れない場合も多いと思います。それが、今日の空き家問題を生む原因になっているのです。しかし、空き家を放置しておくと発生する、先ほど申し上げた以下の点を振り返ってみましょう。
・犯罪に巻き込まれるリスクの増加
・固定資産税の軽減がなくなる
このようなリスクがあるため、実家を失うことが寂しくても早めに売却しましょう。特に、一戸建ての建物部分に資産価値があるなら、建物部分も100万円単位の金額で売れる可能性もあります。
また、木造の一戸建ての査定は、築20~25年を過ぎるとゼロ円と査定する不動産会社が多いです。そのため、どんどん売りにくくなる状況なので、なるべく早めの売却をおすすめします。
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