マンションを売買するタイミングは、その物件によって全然違います。築20年で売却することもあると思いますし、築数年で売却するケースもあるでしょう。その中で、購入してすぐに売却することも多くはありませんが、ケースとしてはあるでしょう。
このように、購入してすぐに新築・中古マンションを売却するというケースは損なのでしょうか?結論からいうと、購入してすぐにマンションを売ると損するケースが多いです。時には得するケースもありますが、デメリットも多いのでその点は把握しておきましょう。
目次で簡単にチェックする
■新築のマンションは買った瞬間に値下がりする
まず、新築マンションは買った瞬間に以下の理由で値下がりします。
・新築は説明が手厚い
・中古流通のイメージが良くない
・新築マンションは相場を新しくつくる
基本的に新築マンションを買った瞬間に売却すると、上記の理由で価値が大きく下落するので、あまり得策とはいえません。物件にもよりますが、一般的には人が住んだ瞬間に10%程度は下落すると言われています。
- ○新築至上主義
日本はスクラップ&ビルドの考えが基本なので、基本的に中古住宅に住むという概念が、ほかの国より薄いです。近年ではその考えも薄れてきましたが、やはり車や家は未だに「新品志向」が根強いのも事実です。
そのため、「誰も住んでいない」という新築に大きな価値があり、誰かが一度でも住んだ中古物件に新築ほどの価値はなくなってしまうのです。
- ○新築は説明が手厚い
日本が新築志向である理由の1つに、日本の接客が挙げられます。日本の接客は他国より丁寧で親切なので、新築マンションも手厚い説明をしてくれます。パンフレットを用意し、モデルルームを用意し、基本的には1組の顧客に1人の営業マンがついて説明をします。
中古マンションも仲介業者が案内してくれますが、そもそもその仲介業者はそのマンションの売主ではないので、知識的には新築時の営業マンより大きく劣ります。そのため、新築は手厚い説明があるのに比べて中古は物足りないという点も、新築から中古で大きく価格が下落する理由です。
- ○中古流通のイメージが良くない
また、現在では改善されつつありましたが、一昔前の中古流通業界はブラックな業界と言えたでしょう。というのも、レインズが存在しなかったので相場価格が存在せずに、査定額も不動産会社の裁量による根拠がないものが多かったのです。
今はレインズができたので査定額について透明性が増しましたが、それでも「囲い込み」のような消費者に不利な行為も存在します。一方、新築マンションはある程度の規模がある宅建業者が売主となっているので、その辺りの信頼性も高いといえます。
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- ○新築マンションは相場を新しくつくる
また、新築マンションは周辺の相場を新しく作ります。つまり、中古マンションで作られている相場価格より「高い金額」が新築マンションの価格になるので、基本的にはそのエリアで最も高いマンションになるのです。
しかし、それは新築マンションだけの話になり、中古マンションになった瞬間に中古マンションの相場価格にまで落ちます。つまり、新築/中古と相場価格が明確に分かれているので、新築時のマンション価格の方が突き抜けて高くなっているというわけです。
■得するケースもある
中古マンションの相場は競合環境によるので、以下のようなケースでは、買ってすぐ売っても得するケースがあります。
・価格の高い中古マンションが売り出される
・住みたい街ランキングなどにランクインされる
しかし、それは前項の理由から、基本的に中古マンションのケースが多いと思っておきましょう。
- ○周辺に高い新築マンションが分譲される
マンションを買った瞬間に、周辺で高い新築マンションが分譲されたとします。そうなると、その新築マンション価格に相場は引き上げられるので、基本的には中古マンションの価格も上がります。
そもそも中古マンションの価格は、周辺の売り出し事例に左右されるので、周辺で高い物件が売り出されていれば売却価格は上がりやすいですし、その逆なら下がりやすいです。
さらに、周辺で売り出されているのが新築マンションであれば、新築マンションは売り出すときに大量の広告を投下するので、集客力も上がります。そのため、購入したマンションをすぐに売ったとしても、高く売れる確率が高まるということです。
- ○価格の高い中古マンションが売り出される
また、同じ理由で、周辺に価格の高い中古マンションが売り出されても、自分のマンションが高く売れる確率は高まります。ただし、新築マンションは何十戸も売り出されているのに対し、中古マンションは一戸です。
そのため、新築マンションの方が効果は高くなります。とはいえ、たとえ一戸だとしてもその一戸が存在する限りは高く売れる確率は高まります。
- ○住みたい街ランキングなどにランクインされる
また、マンションを買った瞬間に、たとえばSUUMOなどのメディアで「住みたい街ランキング」の上位に入ると相場価格は多少上がります。前項の売り出し価格ほどではありませんが、やはりエリアの価値が上がればマンション価格に反映されやすいのです。
■売却を前提に中古マンションを購入する事はよくない?それとも得?
基本的には、売却を前提に中古マンションを購入するのは、以下の理由により良くないと言えます。
・周辺物件の価格に影響される
・売買時に諸費用がかかる
・税金が高くなる
ざっくりいうと、購入時の金額より10%以上高く売れないと、売買益は黒字にはならないでしょう。
- ○周辺物件の価格に影響される
1つ目の理由は、上述したように中古マンションの売却額は、周辺の売り出し物件に影響されるからです。つまり、中古マンションが購入後に上がるか下がるかは、自分ではどうしようもない要素に左右されてしまうということです。
そのため、いくらリサーチして「価格が上がりそうな物件」を選んだところで、周囲の物件に左右されてしまうため、仮にリサーチが正解だったとしても高く売れないかもしれません。また、上述したようにそもそも新築は誰かが住んだ瞬間に価格が下落します。
そのため、その下落分を加味しても高く売れるような物件は、そう簡単に見つかりません。
○売買時に諸費用がかかる
2つ目の理由は売買時に以下のような諸費用が掛かるからです。
・登記関係費用
・ローン関係費用
・固定資産税
・不動産取得税
◎仲介手数料
仲介手数料は、売買価格が400万円以上であれば「売買価格×3%+6万円」の金額になります。つまり、仮に中古マンションを3,000万円で購入して、3,200万円で売却したとしても、仲介手数料は以下の金額になるのです。
・購入時:(3,000万円×3%+6万円)×消費税1.08=1,036,800円
・売却時:(3,200万円×3%+6万円)×消費税1.08=1,101,600円
つまり、合計で2,138,400円の仲介手数料がかかってきます。この場合は、購入時よりも200万円高く売っていますが、既に仲介手数料を加味すると赤字になり、得をしている取引でないことが分かります。
◎登記関係費用
登記関係費用とは、マンション購入時には売主からの「所有権移転登記」、マンション売却時は「抵当権抹消登記」に関する費用です。具体的には、登録免許税という登記に関する税金と、登記する際に依頼する司法書士への報酬料が必要です。
登録免許税が物件によって大きく異なりますが、司法書士報酬は売買合わせて10万円ほどでしょう。そのため、登録免許税を合わせると、売買合計で20万円ほどが相場です。
◎ローン関係費用
ローン関係費用とは、売買時にかかる以下の費用です。
・購入時:手数料、ローン保証料、印紙代
・売却時:繰り上げ返済手数料
特に、購入時の諸費用は金融機関によって大きく異なります。高い金融機関だと、借入金額の2%強の諸費用がかかってくるので、3,000万円の借り入れだと60万円以上の諸費用になります。また、売却時の手数料は数万円程度でしょう。
もちろん、ローンを組まずに現金で購入すればローン関係費用は不要になります。
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◎固定資産税
固定資産税は、その不動産を所有している人が支払うべき税金です。この税金は、その年の1月1日時点の所有者に課せられます。そのため、購入時も売買も、1月1日に所有している売主が支払い、その差額を買主が支払うという流れです。いずれにしろ、固定資産税も諸費用と言えるでしょう。
◎不動産取得税
不動産取得税とは、不動産を取得したときに1度だけかかる税金です。税額は物件価格によりますし、広さが50㎡以上あれば大幅な減額になります。ただ、50㎡未満の場合は、数十万円になるケースもあります。
◎諸費用合計額は?
仮に、3,000万円の借り入れを行い、3,000万円の中古マンションを売買したとします。その場合の諸費用目安額は以下の通りです。
・仲介手数料:(購入時)1,036,800円
・仲介手数料:(売却時)1,101,600円
・登記関係費用:30万円
・ローン関係費用:65万円
・不動産取得税:20万円
こちらの合計額は約329万円です。つまり、3,000万円で購入したマンションは、3,329万円以上で売れなければ赤字になるということです。
このように、諸費用を加味すると、かなり高い金額でマンションが売れなければ、マンションを購入してすぐ売っても黒字になりません。
○税金が高くなる
また、マンションを取得してすぐに売却すると、譲渡所得税というマンション売却時の税金が高くなります。特に、マンションを買ってすぐに売るときは「短期保有」に該当するので、ただでさえ高い税率が更に上がってしまうのです。
○短期保有の譲渡所得税
短期保有とは、マンションを売却したときの1月1日時点で、物件の保有期間が5年未満のケースです。その際の税率は以下のようになります
・所得税:30%(復興特別所得税2.1%)
・住民税:9%
仮に、売買益が1,000万円あった場合には「所得税:300万円、復興特別所得税:6.3万円、住民税:90万円」の、約396万円の税額になります。この金額も加味した上で売却しないと、税金の分が赤字になってしまうのです。
◎長期保有の譲渡得税
一方、長期保有も比較のために解説します。長期保有とは、マンションを売却したときの1月1日時点で、物件の保有期間が5年超のケースです。その際の税率は以下のようになります
・所得税:15%(復興特別所得税2.1%)
・住民税:5%
仮に、売買益が1,000万円あった場合には「所得税:150万円、復興特別所得税:3.15万円、住民税:50万円」の、約203万円の税額になります。長期譲渡税も高いですが、短期譲渡税は更に高いことが理解できたと思います。
■中古マンションを高く買ってしまった!大損する可能性はある?
中古マンションを高く買ってしまったときには、将来的に大損するリスクはあります。「大損」というほど損額を被るかどうかは、短期スパンで売るか長期スパンで売るかによって異なります。
○短期スパンでの売却
この記事の主題である「買ってすぐに売る」という短期スパンで考えると、中古マンションを高く買ってしまうと大損する可能性はあります。その理由は、繰り返し解説している「周辺の売り出し価格によって売却価格が変わるから」です。
逆に、短期スパンでマンションを売買し利益を得るためには、購入した価格よりも高く売れる物件でないといけません。そのような物件は、上述した「得するケースもある」というマンションに該当し、かつ相場よりかなり安いマンションという2つの条件が必要です。
つまり、相場より高い金額で買った時点で、2つ目の条件を満たしていないので、中古マンションを高く買って短期スパンで売買すると損しやすいのです。
○長期スパンでの売却
大損する可能性は高くはありませんが、損する可能性はあります。そのため、中古マンション購入時には以下のサイトで相場感覚を養っておきましょう。
・REINS Market Information※
・土地総合情報システム※
この2つのサイトを利用すれば、周辺の成約事例を確認することができます。そのため、相場感覚を養うことができ、価格の上がりやすいマンションをピックアップしやすくなります。
※REINS Market Information
http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do
※土地総合情報システム
http://www.land.mlit.go.jp/webland/
■そもそもマンションは買った値段で売る事は出来るのか?一括査定を利用しよう
上述したように、マンションを買ってすぐに売却して利益を出すのは、中々ハードルが高いです。しかし、いくらで売れるかというのを査定する価値はあります。その際は、一括査定を利用して、楽に賢く査定依頼しましょう。
○一括査定とは?
一括査定とは、複数の不動産会社に一括で査定依頼できるサイトのことです。このサイトを利用しないと、不動産会社へ個別に連絡して査定依頼することになります。サイトによって異なりますが、数分の入力作業で5~6社程度に査定依頼できるサイトが一般的です。
○複数社に査定依頼する理由
なぜ1社ではなく複数社に査定依頼した方が良いかというと、不動産会社によって査定額が異なるからです。査定額は「恐らく売れる価格」であり、この査定額は周辺の成約事例を基に算出します。そのため、複数の不動産会社に査定依頼しても、基本的に指標となる成約事例は同じです。
しかし、その不動産会社によって、売却しやすいエリアもあれば、売却しにくいエリアもあります。そのため、同じ成約事例を見ても、査定額に違いが出てくるのです。
その査定額の根拠を見極め、より信頼できる不動産会社に仲介を依頼するために、複数の不動産会社へ査定依頼することをおすすめします。
○一括査定のメリット
さて、そんな一括査定のメリットは以下の点です。
・査定依頼が楽
・横並びで比較できる
・色々な物件情報を得られる
まず、何よりも査定依頼が楽です。店舗に言って直接査定依頼すると、営業マンと話す時間もあり小一時間かかることもあります。それを5社で行えば数時間かかってしまいますが、一括査定なら数分で済みます。
また、一括査定は大体1~2営業日で査定結果が出てきます。そのため、複数の不動産会社を横並びで同時に比較しやすいのです。これは、きちんとした比較につながるので、不動産会社に対して正当なジャッジをしやすいということになります。
さらに、不動産会社によって、成約事例のデータと合わせて、過去の成約事例や売り出し物件の情報なども提供してくれます。複数社に一括査定することで、色々なデータを見られるので物件情報が頭に入りやすいのです。
一括査定はこのようなメリットがあるので、マンションの査定額を知りたいといは一括査定を利用しましょう。マンションを買ってすぐに売るかどうかの判断は、一旦一括査定して査定額を見てから判断すると良いでしょう。
■まとめ
このように、新築・中古に限らず、購入後すぐ売って利益を出すのは難しいです。とはいえ、ケースバイケースではあるので、まずは一括査定で査定額を算出することからはじめましょう。
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