マンションを高く売るコツ

「少しでも高く売りたい!」。このような思いは、マンションの売却を考えている人にとって共通の願いのはず。しかし、「もう少し高い値段で出しとけばよかった…」と後悔した経験をお持ちの人もいらっしゃるのではないでしょうか?値付けを間違えると売り出して数日で売れてしまい、このようなことにもなりかねません。マンションを高く売るためにはどうしたらよいのか、これから詳しく解説いたします。

マンションの内装

1 マンションを高く売る方法

マンションを高く売りたい人たち

なるべく高く売りたいと思っても、マンションのような不動産は、なかなか自分の希望した価格では売れないものです。では、どうしたら希望の価格に近付けることができるのでしょう。希望に近い価格で売るためには、売り手側にも工夫が求められるようです。マンションを高く売るために売り手は何をしたらよいのか、考えてみることにしましょう。

マンションを高く売るための条件を、次に挙げてみました。

時間的余裕を持つ

売却までの期間は最低でも3か月は見ておきたいものです。時間的余裕がないと、値下げ交渉では買い手主導で話が進んでしまいがちになります。売り手主導で交渉を進めるためには、時間的余裕をもつことは必須条件といえるでしょう。

査定価格は参考程度に

査定価格と実際に売れる価格とは別物です。

したがって、査定価格は値付けの参考程度として考えるようにしましょう。査定価格をそのまま販売価格にしてしまうと、冒頭でご紹介したような格安物件の提供につながってしまうことも。

損しない為に!マンションを売却するときに意識したい相場と手数料

10万円単位で価格を設定

買い手の立場で考えると、数千万円のマンションの価格を見て、10万円単位の部分を気に掛ける人はほとんどいません。3,980万円でも3,900万円でも、買い手にとって大差はありません。

ところが、売り手の立場で考えてみましょう。マンションの販売価格を3,980万円にするのと3,900万円にするのとでは、成約した際の手取りの金額に約80万円もの違いが生じることになります。

・売出し開始後2週間で状況確認をすること

仲介会社にマンション売却の依頼をしたら、初めの2週間は様子を見るようにします。

そして、その間のネットでのアクセス状況や問合せの状況を、仲介会社に確認するようにします。当初予定していたよりも反響が少ないようであれば、売り出し価格が相場との間にギャップがあるのかもしれません。価格の見直しも検討する必要があるかもしれません。

マンション売却時の引越しの猶予期間とするべき事


仲介会社の活動状況の確認

マンションの仲介会社

仲介会社がどのような活動をしているのかを確認することも大切です。売主のために働いてくれているのか、内覧には至らなくても問合せはどの程度あるのかなど、定期的に確認するとよいでしょう。

・内覧時の演出

マンションの内覧に案内している人

内覧は、購入希望者に直接アピールすることができる絶好の機会です。照明が切れている場合はあらかじめ交換し、部屋が少しでも明るく見えるように、日中でも室内の照明は全て点灯するようにします。室内の清掃を済ませておくことはいうまでもありませんが、水回りは特に清潔にしておくことを心掛けましょう。

家を売る時の内覧ポイントとコツ

マンションの価格を左右する要素はほかにもあります。

たとえば、徒歩1分の超駅近物件や、外観やエントランスから高級感が漂ってくる物件。マンションが建つ地域が、住みたい街ランキングで毎年上位にランキングされる街であるなど。ところが、これらの要素はマンションの売却をする段階ではどうすることもできません。

しかし、考えてみてください。これらに共通して言えること。それは、いずれも人気が集まる物件であるということです。人気が集まる物件であれば、高い値段で売れやすいということになります。例で挙げたような、どうすることもできないポイントについて考えても仕方ありません。どうしたらマンションの人気が高まるかに注力してみませんか。

 

売却する際に、そのマンションにどれほどの人が関心を持つかによってマンションの価格は左右されます。つまり、需要と供給の関係によって価格が決まるということです。散歩や通勤の途中で「素敵なマンションだな」、そのように感じた経験をお持ちかもしれません。

それは必ずしも立地や築年数などの条件だけでなく、趣のある雰囲気を醸し出す建物であったり、不思議と人を惹きつける魅力的なマンションであったり、感情に訴えかける印象もまた好感を与えるものです。このようなマンションには自分以外も好印象を抱くことが多く、強気な売却価格を設定しても買い手が付く可能性が高いといえるでしょう。

 

では、どうしたらそのような印象を持ってもらえるマンションになるのでしょう。中古マンションの価値はメンテナンスによっても左右されるといわれています。

自分でメンテナンスできる専有部分と違い、共有部分は管理会社の管轄です。管理会社の管理の仕方でメンテナンスの良し悪しが決まってしまいます。

お住まいのマンションがしっかりとメンテナンスされているようであれば問題ありませんが、清掃が行き届いていなかったり、植栽の手入れが不十分だったりする場合は、管理組合に改善のお願いをしてみるのもよいでしょう。

2 リフォームした方が高く売れるのか

リフォームした家

ここでは、マンション売却の際のリフォームについて考えてみます。まず、リフォームして売る場合のメリットとデメリットを挙げてみましょう。

・リフォームしてから売る場合のメリット

– 見栄えが良くなり買い手に好印象を与える

– 買い手が好印象を抱いた結果、成約率が高くなる

– 買い手側のリフォームの手間が省ける

・リフォームしてから売る場合のデメリット

– リフォーム費用分を販売価格に上乗せできるとは限らない

– 自分好みのリフォームを考えている買い手は、現況での引き渡しを好む

これらを総合的に考えると、大がかりなリフォームは必要ないといえそうです。そして、もっとも気を付けなければならないこと。それは、リフォームにお金を掛けすぎてしまい、販売価格が市場の相場から大きく離れてしまうこと。その結果、内覧はいうまでもなく問合せすら来ないという状況に陥ってしまうことも。

ただし、安価なリフォームであれば有効です。
クロスやふすま、障子の破れなどがあると、購入希望者に与える内覧時の印象も悪くなってしまいます。こうした破損箇所が広範囲に及んでいるようであれば、リフォームしてきれいな状態で売り出した方が、購入希望者に好印象を与えます。この程度のリフォームであれば費用も安価です。売り手の負担も少なくて済みます。

リフォームした家は高く売れるの?

3 クリーニングのすすめ

風呂掃除をしている人

何千万円もかけて購入するマンション。

そんなマンションの購入を検討する際、内覧時に「汚い」という印象を抱いたらどうでしょう。そのマンションを購入しようと思いますか?そして、購入希望者の多くは、複数の物件を比較検討して決めるものです。

似た条件で同じような価格帯のマンションを天秤にかけた場合、清潔感が購入の決め手になることも少なくないのです。実際、清潔感も含めた印象の良いマンションから売れていく傾向があります。そして、マンションの第一印象は、玄関ドアを開けたその瞬間に決まるともいわれています。

床を磨き、お風呂やキッチン、トイレなどの水回りを清潔に保つ、窓ガラスをきれいに磨き上げるなどの日頃の努力が、マンションをより高値で売ることにもつながります。なかには、業者に委託してハウスクリーニングを行う人も。

清潔感を保つために気を付けたいポイントを、部屋別にご紹介します。

・キッチン:コンロやシンク、水栓をツヤが出るまで磨き上げる。においの元となるゴミ箱にも注意が必要

・浴室・洗面所:カビ、水垢、鏡の曇りを落とす。乾いた状態で内覧を迎えるようにする

・トイレ:においや便器の黒ずみ、床のホコリ、手洗い水栓の水垢を取り除く

・リビング・ダイニング:物が多いと部屋が狭く感じるため、整理整頓を心掛ける

・寝室・子供部屋:おもちゃを片付け、布団は収納すること。リネン類の色に統一性をもたせると好印象。

・玄関:靴や傘を収納し、たたきの部分は水拭きする

・ベランダ・バルコニー:洗濯物は取り込み、不要なものを置かないよう心掛ける。床は掃き掃除を

・窓ガラス:室内が明るく見えるよう、ガラスや網戸の汚れをきれいに落とす

・収納:多くの購入希望者が重視する収納力。中を見せられるよう、整理整頓を心掛ける

4 高く売れるマンションの条件

次に、マンションの価格を左右する条件について考えてみましょう。

 

4-1 時期は関係あるか

1年をとおして行われるマンションの取引ですが、その中でも特に活発な取引が行われる時期があります。取引が活発に行われるということは、購入希望者が多いということ。

つまり需要と供給の関係から、その時期にマンション価格の相場は上昇することになります。相場が上昇するタイミングを見計らって売り出せば、高値での売却にもつながりやすいと考えられます。

 

ここまでは、1年サイクルでやってくる時期についてお話ししましたが、数年サイクルでやってくる時期によってもマンション価格は変動します。

いまであれば、東京オリンピックを前に不動産価格が上昇し続けています。しかし、やがてはその上昇も終わりを迎え、不動産価格は下落に転じるようになります。

程度の差こそあれ、このように数年単位で不動産価格は上昇と下落を繰り返しています。ピークの値段でマンションを売却できれば理想的ですが、なかなかそう上手くはいきません。「そろそろ限界では」と話すプロも多い不動産価格の上昇。いまから売却の準備を始めたとしても、決して早くはないのかもしれません。

4-2 値下げ交渉にはのるべき?

不動産取引において値下げ交渉をされることは珍しくなく、むしろ値下げ交渉されることの方が普通でしょう。不動産の売買では90%以上の確率で値下げ交渉を持ちかけられるといわれています。

また、どのタイミングで値下げ交渉を持ちかけられるかはわかりません。内覧時の場合もあれば売買契約の直前ということもあり得ます。そのため、あらかじめ値下げ交渉に対する準備をしておくことは非常に重要なのです。

 

値下げを交渉されても「びた一文値引きには応じない!」という姿勢では、購入希望者に対する印象も良くありません。

そこでおすすめなのが、販売価格は値下げ交渉をされることを前提に決めること。そうすることで、値下げ交渉をされた際の話がスムーズに進むようになります。販売価格は、自分がどの程度の値下げに応じられるかを基準に考え、その分を本来考えている額に上乗せするようにします。

 

4-3 査定に影響するポイント

次に挙げるものは、マンションの査定に影響を与えるポイントです。自分のマンションと照らし合わせてみてください。

 

・最寄り駅からの距離

都市部では、最寄り駅からの距離は査定価格に大きく反映されます。

 

・周辺環境・立地条件

毎日買い物に行けるようなスーパーが徒歩圏内にあるか、子供の学校までの距離などが、査定価格に反映されます。

 

・眺望・方角

部屋からの眺望の良さは、そのマンションのもつ付加価値として査定価格に反映されます。そして、上層階になるほど査定価格は高くなります。また、日当たりの良い南向きの部屋の査定価格も高くなります。

 

・グレード・築年数

ご存知の通り、査定価格は築年数が浅いほど高くなります。また、グレードによっても査定価格は異なります。グレードごとに異なるブランドで売り出す販売会社もあるほどです。そのような販売会社のマンションでは、ブランドが異なると査定価格も異なります。

 

・メンテナンス・セキュリティー

管理組合が機能していて、メンテナンスを定期的に実施しているマンションや、大規模修繕を実施したばかりのマンションには、高い査定価格が提示されます。管理人の有無など、セキュリティーに対する配慮も査定価格に影響を与えます。

 

・部屋の現況

クロスやふすまの汚れや破損も、査定価格に反映されます。リフォーム履歴もプラス査定の材料になります。

4-4 買い手は内見時に何処をチェックしてる?

買い手は内覧時にどこをチェックしているのかを、これからご紹介しましょう。

 

・玄関

既にお話ししたように、玄関を入った瞬間にその部屋の第一印象が決まるといわれています。普段出したままにしている靴などは、内覧前に片付けるようにしましょう。

 

・リビング

玄関を抜けて次に向かうのがリビング。そのリビングを見た段階で、購入希望者の意思は半分ほど決まってしまうそうです。リビングは、「広くて明るい」という印象を持ってもらうことが大切です。

 

・キッチン

さまざまな物が置かれているキッチン。そのため、実際よりも狭く見られがちに。キッチンには、使い勝手よりも広さをアピールするための工夫が必要となります。

 

・水回り

清潔感の有無を感じやすい浴室やトイレ。水垢がこびりついてしまって自分では落とせないような場合は、専門業者にクリーニングを依頼するのもおすすめです。

4-5 為替や株価でマンションの値段は変動します

マンション価格に影響を与える要素のひとつに、為替や株価があることをご存知の人は少ないことでしょう。アベノミクスが始まった当時、1ドルは80円ほど。その後、一時120円台まで円安が進みました。外国人の立場で考えると、日本の不動産価格が3分の2に下落したことになります。そして、多くの外国人が日本の不動産に投資するようになり、そのことが不動産価格の上昇の一因となっています。また、株価が下落するということは企業の業績が悪化しているということです。企業の業績悪化は不況を招き、不況になれば不動産価格も下落するということになります。

5 不動産屋は何処を選んでも値段は一緒なの?

優良な不動産屋

マンションを売却するには買い手を見つける必要があります。そのお手伝いをしてくれるのが仲介会社です。そんな重要な役割を果たす仲介会社ですが、どの業者にお願いしても同じなのでしょうか。

 

仲介業者に関して深く考えることなく、ある不動産屋に仲介を依頼した人の例をご紹介します。

売り出し後の3か月で内覧に案内されたのはわずか2件でした。そこで、3か月の媒介契約期間が終了したタイミングで、他の仲介会社に切り替えたそうです。

その結果、当初の売り出し価格よりも高い値段設定にもかかわらず、2週間で6件もの内覧者が現れたそうです。初めにお願いした仲介会社は、売り手と買い手の両方から仲介手数料が支払われる、いわゆる「両手仲介」を狙っていたとのこと。買い手も自社で見つけようと、依頼された物件情報を他社に流していなかったのだそうです。

家を売る時には悪徳不動産屋に注意しよう

このように、売り手ではなく自社の利益を優先する仲介会社が存在するのは事実です。マンションの売却は、売り手の利益を最優先に考えてくれる仲介業者に依頼すること。そして、仲介業者とはどんなに細かいことでも気軽に相談できるような信頼関係を築くことも大切です。

家を売る時の不動産屋の選び方

 

6 一括査定がおすすめ

マンション価格の査定には、一度の手続きで複数社に査定を依頼することができる、一括査定サービスの活用をおすすめします。一括査定はウェブサイトのサービスを利用するのが便利です。

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一括査定をとおして、自宅マンションの査定を数社に依頼したみたところ、その中の1社がかつての分譲価格を上回る金額を提示してきたという例があります。

「新築と中古の価格差が開いていた時期があったが、過去の価格にとらわれない現在の相場を参考に出した結果」という説明にも納得し、提示された金額で売りに出すことに。売り出し開始後2週間で10件を超える内覧があり、それは想像を超える反響だったようです。その結果、購入価格を800万円上回る金額での売却に成功したのだそうです。

このように、一括査定がきっかけとなり期待した以上の価格で成約することもあります。また、自宅マンションの現在の価値を知るためのひとつの手段として、査定を依頼してみるのもよいでしょう。

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